葬儀の際には喪主や故人の三親等以内の方は正喪服を着用します。よく、和装の方が洋装よりも正式で格が高いと言う人がいますが、大きな間違いです。両方ともドレスコードがありますので、相応の決まりを守ればいいでしょう。
男性の場合は、ブラックのフォーマルスーツに黒いネクタイを着用するのが一般的です。喪主であってもあまり着物を着ている人は見られません。一方女性の場合は、準備に時間がかかることから、すぐに着られるブラックフォーマルスーツやアンサンブルを選択する方が多くなっていますが、目上の親族の要請がある場合や地域の決まりによっては、女性の喪主、及び故人に近い親族の女性が和服を着用する例もあります。
一般的には正喪服が用いられ、黒無地の5つ紋付の留袖を用います。5つ紋が入ると最も格が高い和装となり、背中と両後ろ袖、両胸の計5ヶ所に家紋が入ります。女性の場合は、実家の家紋を入れます。着物の生地は、関東では羽二重、関西では一越縮緬が多いと言われていますが、現在ではこだわることはないでしょう。
半襟と長襦袢、足袋は白色にし、帯や帯締めは着物と同様に黒地の物を使うようにしてください。草履は鼻緒も含めて黒色の布製にしましょう。髪飾りや帯留めはつけないのがマナーです。着用できる範囲は、喪主、故人の3親等以内の親族ですが、例外的にいとこに当たる場合は4親等でも着用しても構わないこともあるでしょう。
和装一式を持っていない場合は、葬儀社でレンタル出来ることもあります。料金はかかりますが、葬祭場で専任の着付師に着付けてもらえるので問題ありません。5つ紋付の家紋はワッペンやシールなどで簡単に貼れるのですが、珍しい家紋の場合は全く同じ物が用意できない場合があります。
また、既婚者の場合にレンタルを利用するのであれば、実家の家紋を使うことになりますので、事前に実家に確認するといいでしょう。